「最近、ママが変になってきた」
先月、傘寿(80歳)のお祝いで叔父に電話をしたときの話です。
いつもの陽気な雰囲気と違う叔父の深刻な話しぶりに戸惑いながら詳しく話を聞いてみると「何度も同じことを聞いてくる」とか、「買い物に行ったことを忘れて、またスーパーに行こうとする」など、ただのもの忘れではない様子。外出するのも面倒がるようになり、20年以上続けていた趣味のフラダンスも先月から行かなくなった。と教えてもらいました。
叔母は今年で76歳、地域のボランティアにも積極的に参加するなど面倒見もよく社交的な性格です。年始に会ったときは「最近、もの忘れが増えて困っている」と言っていたましたが、まさかここまで深刻な問題になっているとは思っていませんでした。
平成24年に厚生労働省が発表した推計によると、65歳以上人口3,097万人のうち認知症患者数は約462万人、MCIといわれる認知症予備軍は約400万人とされ、いま高齢者の4人に1人は認知機能に何らかの問題を抱えていることになります。
叔母はこの電話がきっかけで認知症検査をすることになりMCIと診断されましたが、幸いなことに認知症に進まないうちに発見したので、早期の治療により症状が安定し性格も明るくなりました。最近ではフラダンスをまた始めようかな?と言っているようです。
終活の相談を受けるようになってから、同じようにもの忘れで困っているという話をたくさん聞くようになりましたが、そのほとんどが日常生活に支障が出るようになってからご家族が相談に来られます。
もの忘れの原因は認知症か加齢によるものかは検査してみないとわかりませんが、認知症やMCIは早期に発見・治療することで、症状の進行を抑えたり改善することができます。
ちょっと今までと違うかな?と感じたときは、もの忘れ外来など専門の病院で検査をして家族の健康を守るようにしてください。