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【空き家活用編3】空き家を活用した新たな試み

 空き家・空き室を活用して、多世代型ホームシェアを提案

昭和40年代まで、部屋代、食事代などを受け取って、他人に部屋を提供することをとする「下宿屋」が大学等のある街には多数存在していました故郷を離れて、東京をはじめとする都市の大学で勉学する学生が増加するのに伴って発達しました。当初は個人が自宅の一部を賃貸することに始まりましたが、1970年代後半頃から一つ屋根の下に住み合う下宿屋は減り、賃貸アパートが主流になっていきました。

最近、一人暮らしの高齢者らが自宅の一室を若者に提供し、交流しながら同居する「世代間ホームシェア」が東京都内ではじまりました。

「老後の一人暮らしは体調の急変や防犯の面で不安が残る一方、進学などで親元を離れた若者にとって家賃の負担は大きい。ホームシェアにより高齢者は安心した生活が送れ、学生らは経済的負担が減り、シニアの知恵も学べる」

こうした高齢者、若者双方のニーズに応えるホームシェアが1990年代から欧州で広がり、日本でも近年、NPOなどが徐々に取り組んでいます。

越谷市住まい・まちづくり協議会作成

 ◆NPO法人「リブ&リブ」ホームシェア

 

空き家活用を推進する私たちは、世代間ホームシェアを参考にして、空き家等を活用した「多世代型ホームシェア事業」を現在企画しています。空き室を活用してシニアと学生等との同居によって、共助社会における新たな住まい方を見つけ、空き家予防にもつながる事業です。 かつての「下宿屋」と違いシニアと学生等が同等の立場で支え合い、毎日を楽しみながら暮らすことができるホームシェアを目指しています。

この同居生活が円滑に進むように、専属の ホームシェアコーデェネーター (HSC)が潤滑油としてシニア・学生両方の相談相手となり、同居生活が完了するまでサポートしていきます。 利用料金として設定する20,00025,000円(未定)は、賃料ではなく、水道光熱費など生活関連費用を含む使用料として考えます。

介護を必要としないシニアを対象としますが、シニアとの同居の意思があることや定められた同居ルールを守ることが最低の条件になります。また、多世代型ホームシェア事業の参加者には、多世代交流を通して助け合い、支え合うこの事業の理念と目的を理解し同意して頂くことが基本となります。

20201月、越谷市内の空き室をお持ちのオーナーと学生に協力いただき、23日のお試しモニター体験宿泊を私たちがコーディネートして実施しました。モニター体験は双方ともにすこぶる良好でしたが、自宅で個室が用意されて育ってきた若者が、実際他人と住み合う生活ができ、多世代型ホームシェアが今後普及していくかは、これからの課題です。

空き家を活用して、さまざまな発信

空き家を活用して不動産投資をやる30歳~40歳代の会社員がいる一方、空き家を複数の人で借りてシェアするケースも出てきました。20代後半から30歳代の男性3人が、土地60坪で築50年以上の平屋の空き家を現状のままオーナーから月3万円の家賃で借り、一人1万円ずつ出し合ってシェアしています。

3人ともそれぞれに仕事を持っており、空き家を使用するのは休みの日だけです。それでも各自が、自宅とは別に自由に使えるスペースを持つ意義は大きいようです。 20歳代の農業好きの若者は、広い庭を耕し、幾種もの野菜の種をまき、収穫を楽しんでいます。

建築関係の仕事に従事する30歳代の人は、休みになると会社の後輩たちに協力してもらい、DIYをしています。天井を外して、垂木を丸出しにした趣のある家に生まれ変わりました。また、畳を取っ払って、床材を張り、掘りごたつスペースも作りました。仕事で建築をやっている若者たちも、職場とは勝手が違うようです。休みになると自主的にこの古家に集まってきて、楽しそうに作業している姿を傍から見ると、とても豊かな楽しみ方をしているように思います。この空き家DIYを先導する彼は、ロックミュージシャンでもあり、自主制作でCDをつくり、自分の演奏曲をBGMに使い、DIYの作業風景を動画撮影したものをYouTubeにアップして配信しています。こうした発信力は、シニア世代の私には到底まねの出来ないことで、正直感服します。

お金はなくても、自分が好きなことをやって豊かな生活を送っている彼らを見ると、こちらも楽しくなるし、見習いたいと思います。物質的な豊かさに価値を求めていた時代はもう終わりました。これからは、各自がその価値を創り出して楽しむ時代になるでしょう。そんなことを予感させる若者たちの空き家活用に、私は期待しています。